11/14/2015

危機一髪の不吉日

昨日が13日の金曜日であったのだと今思い出しました。
今から40年以上前の(明後日が47回目の結婚記念日なので)新婚初めての年であった13日の金曜日にとても危険な目にあって以来、この不吉な日には年々少なからず注意を払っていたのですが、今となっては唯の普通の日として過ごしているのです。

その頃私達はカリフォルニア州サンマテオ市のアパートに住んでいました。
その日は朝から雨で、とても寒かったのを覚えています。傘を持つ習慣があまり無い私達は最寄のスーパーに食料品を買いに出かけたのですが、雨天だというのにいつもよりお店が混んでいていつも停める所が空いておらず、駐車場を探して雨の中をやっとの思いで屋上の駐車を終えて店の中に濡れた体で入ったのでした。
私は身重であったので転ばないように気をつけていました。
若くて貧しかった私達は給料前のナケナシの小銭をかき集め、つわりの酷い私に炭酸水とクラッカーを買い、スープなどの少々の食料を買ったのが、やはり会計の場で5セント程足りなくて、一品を返したのでした。
帰りの時でもまだ雨は止まず、また濡れて車の中に治まり、風邪を引かぬように早く家の暖房にあたろうねなんて話しながらの帰宅の途、街中を通る線路上であろうことか車のエンジンが不調になって縁故してしまった。
いつもは汽車の交通は極めて少なく何てこと無い線路、と思っていると、そのうち直ぐにカンカンと信号が鳴り出し遮断機が降りてきて前後が塞がれると同時に遠くプヮーン、プワーンと列車の警笛が聞こえるではないか。
「ハニー、降りて!!汽車がくるっ!!」と夫が叫び、自分も飛び降りると大きな赤いビューイックのドア越しに車体を押し出したのでした。
プワーン、ブワーンという警笛がグワーンと近くまできて、ゴーゴーという音と共に過ぎ去っていく車窓から沢山の顔がこちらを見ていました。
危機一髪でした
幸い夫が線路土手の坂を利用してうまく車を移動し終えたところでした。
私達二人は青白い顔をして、まだ濡れた体で車の中に入り、エンジンを掛けると車はまるで何事も無かったかのように発車したのでした。
そこからアパートまでは10分程の距離を私達は無言で帰宅しました。
ヒーターの前に二人で手をかざしながら「イヤーあぶなかったね。とにかく無事で良かった。」「一体どうして急に遮断機内で縁故したんだろうね」と話し合っているとガランガランとヒーターから音が響いてきて、急に暖房が切れてしまったのは2度驚かされた私達でした。
早速大家さんにヒーターの不調を直してもらう連絡をしたのでしたが、その時大家さんが「今日は13日の金曜日だからこんな不吉が怒ったのかな」と笑いながら私達に云ったのですが、それまでの不吉な出来事が出来事だったので一緒に笑う気分になれ無い私達夫婦でした。

この結婚後初めての危機一髪日が一生分の不吉を担ってくれたものか以来13日の金曜日は毎年来るもののその後は何も不吉な思いをしなくなったのは偶然でも嬉しい私であり、昨日なんかもすっかり不吉日の慣習さえ忘れていた私でした。

上の写真はDonが昨日買って来てくれたジンジャーとバードオブパラダイスです。(ハワイに在住の頃は道端に雑然とこのようなのが咲いていましたが)
多分Donもあの忌まわしい危機一髪の日を思い出して私を労ってくれたのかもしれません。