12/13/2016

雑談日誌 ある匂いの話

仕事が忙しいデイヴィッドが多分クリスマスにも帰省出来るやもしれないという事で、クリスマスプレゼトをそれまで用意する事が無くなりなった訳だが、その事を知らずにいたクリスティーナが昨日のうちにデイヴィッドにプレゼントを渡しにやってきた。
ちょっとばかり体調を崩したという事で、先日はERに救急搬送されたクリスティーナだったが、今はもうすっかり落ち着いたという。
私達を心配させまいと、色々な事項は事後報告となる。
日本に於いての医療費に比べて、こちらのは6倍も高額であると云われているので、たった1昼夜の入院でも、私共一般人には負担が大きい。
そのような体調を知っての事か否かは別にしても、昨夜のキオニは初めてクリスティーナに体を預けてスリスリする仕草を見せ、「今までにこんなに私の側に寄ってきたのは、初めてよねぇ」と驚かせていた。
(イカイカとアシュリーは相変わらず何処かに隠れていたが)

ここで、話がガラリと変わるが、猫の匂いを嗅ぐ仕草から、遠い数年前のある事がフト頭を横切った。
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ある日、洗濯ものをたたんでいると、家族の誰のものとは思えないTシャツがあり、その何やらの違和感が半端ないものに驚いた私であった。
その違和感は慣れた家族の衣類の匂いではなく、洗った直後であるにも関わらず、独特の匂いを放っていたからである。
私はそのTシャツ自体に匂いが染みているのだろうと、もう一度洗濯機の中に入れ戻し、ドライヤー時には良い香りの芳香剤も入れ足したのである。しかし、2度の洗濯にも関わらず、それは独特の匂いが落ちる事はなく、私はその匂いに負けるべく顔を横に向けてたたむことにしたのだった。
それぞれ家族にたたんだ洗濯衣類を渡しながら、「これは誰のものなの?匂いが取れないんだけど」と言うと、夫も孫達も「自分のものではないけれど、そんな変な匂いなんて感じられないよ」と口々に言った。
ぇ?この変わった独特の匂いが貴方達には感じられないなんて、嘘でしょうと私は複雑な気持ちでいるところに、孫娘のクリスティーナが「あ、それは私がボーイフレンド(その後に他界した)から貰い受けた彼のシャツなの」と嬉しそうに受け取ったのであった。
道理で、家族の匂いがしなかったのか。それにしても私以外の誰もが、その独特な匂いに気が付かないなんて、どういう事なのだろうと私はいぶかった。
その後も、2,3回その彼の衣類が紛れ込んで、我が家の洗濯物と交わるたびに、私だけが、嫌な匂いに気が付くという思いをし続けたのだった。

あるテレビ番組で、相思相愛の感情は体臭というものが関係していて、その実験をみせていた。ある人が不快と感ずる匂いが、他のある人には良い匂いであるというものであった。
それによると、DNAが遠ければ遠いほど、その匂いと関係が好ましい物であるといい、体臭が同じ系統、関連性が高ければそれを善しとしないという研究が証明されているとの事であった。

あの時、私独りが顔をそむけたあの匂いは、私の家族の皆とは違って感じられたのには説明がつかない。
あれから直後に皆が予想だにしなかった事故で、彼は若くして他界してしまったわけだが、そうすると言うことは、あの匂いを感じられた時点では、私が彼の体調と凄く近寄ったものであったわけなのだろうか。
因みに当の彼はスパニッシュ系アメリカ人で、人種的にも全てにおいて私達家族のだれともDNAが似ているとか、関係性が近いとかは絶対にないのである。
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あれから一昔近くたって、やっとその痛手から立ち直った彼女が今一緒に生活を共にしているボーイフレンドが私にとっては、遠い関係の体臭であるやらどうやらの政策はしないでおこう。
私の先はもうそう長くはない。それを知ったところで、人生はなるようにしかならないものね。