7/15/2017

面白いよね、と玉子かけ鉢の話

この映画を見たことがあるかもしれないと思いつつ「スウィッチを押すとき←クリック」という邦画サスペンス動画を見ている時に、ありゃーと云うような事が起きて、独りで笑ってしまった。
大して興味深い映画だとは思わないまま、画面に目をやり、ヨーグルトのプラスティックカップを左手に持ち、右手のスプーンで救おうとしていた。その時、何がどうなったのか解らない瞬時に、左前にそのカップがぴょ~んと1メートルほどの地点まで飛んで床に着陸した。
何かの拍子に手が緩んでカップが落下したというふうではなく、それだと足元に落ちただろうし、右に持った匙加減だとしたら右手床に落ちたのだろうが、それはカーブを描いたようにぴょーんと左前の床に飛び越えたのが、不可思議でもあった。
側の戸口で立ってみていたドンが「あれッ、どうしたのかナ?」と怪訝な顔つきをして、椅子に座っていた私の方を見たが、(今、カップをこちらに投げつけなかったよねと)、彼の足元まで飛んで行ったのがちょっと驚いていた様子であった。
「ありゃりゃ~、何で飛んで行っちゃったの?」とそれを取りに椅子から立ち上がる私に「中身がこぼれないで上手く着陸したものだ」とドンが云う。
映画かなんかのポルタガイストのショートバージョンを見ているようで、何か面白いと私は思って笑った。
人生の今までにも、私の周りで何かがぴょ~んと飛ぶことがあった。
それは稀な事だし、何の恐れもなす事でも無いと私は考えている。
何かの力学が働いて起きる事なのだろう。
これって、ちょっと面白いよね。

🍵🍵🍵🍵


シャーンに朝食を作りながら卵を割っていて、何故か遠い昔の私と伯母の会話を思い出した。
卵というものが戦後の食糧難のなかでも貴重な栄養食品と云われていた最中の事である。
入退院を繰り返す母の病状に、私の幼少時代はこの伯母宅に身を寄せる日が多かった。
伯母は律義一辺で誠実な炭鉱夫をしていた夫を忌まわしい炭鉱落盤事故で亡くした後に、日雇いなどの仕事をしながらも女手一つで8人もの子供を育て上げ「子供が8人だろうと、9人だろうと同じ事」と妹の娘である幼い私を引き取った人である。
其の頃の毎日の朝食は決まって白米と納豆だけのものだったが、誰もこれが当たり前と思っていたので不満を口にする者はいなかったし、皆が皆一応に助け合いの心で生きていたように思う。貧しいのが嫌だなどとは誰も何も言わなかった。
そんな苦しい生活の中でその伯母のたった一つの趣味が植木鉢を育てる事であったと記憶している。
ある日鉢の手入れをしていた伯母が鉢のグルリに半円の卵の殻を並べていた。
単なる飾り付けなのか、他に何かの目的があるものかと不思議に思った小学校低学年の私は「その玉子は何のために置くの?」と伯母に問うた。
伯母は笑って手を休め「これかい。あのね、木々にも栄養が必要だから毎日こうして卵を飲ませているんだよ」と答えた。
私は「えーっ」と驚いた。
其の頃の生活からして玉子は貴重な食品であったので、家族さえ滅多に口にしない玉子を毎日植物に飲ますなんて、考えられなかったからである。
その日、久しぶりに実家に戻った私は母に其のことを話すと、母は笑って「鉢に玉子かけか。ふふっ、面白いね」と云った。
母にはそれが伯母の冗談であると直ぐに解ったのであろう。
ただ、子供の私には伯母の言葉も母の応えも、何か不思議でならなかったし、「そうなのか、卵かけは鉢の植物にも栄養を与えるのか」と怪訝な思いはあった。

今では戦後の食糧難の頃とは大違いで、いつでも自由に卵料理を楽しむ家庭は多いだろう。
卵の殻を割るたびに、あの時の「玉子かけ鉢」の話で面白かっている伯母と母の顔が思い出されるのである。

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クリスティーナがカーナーを連れてやって来て、ちょっとグロッサリーショッピングに行きたいので小時間カーナーのベビーシッターを頼むと云う。
ああ、行ってらっしゃいと承諾したものの、ドンは出掛けているし、頼みのシャーンも一緒に買い物に出るとあって、いやー、大丈夫なのかな私。
3ヶ月のカーナーは6ヶ月用赤ちゃん着もピチピチのおデブちゃんであり、持ち上げるにはかなりの重量がある。
私がベビーシッターを最後にしてから、もう20年も経つ。
最初ちょっとぐずったけれど、ミルクをのませて背中トントンのゲップが出た後には爆睡して、プレーペンに寝かせた時には私は汗だくの状態であった。
あー、しんどぃッ。
ドンが帰宅して「おー、グレートグランマは今日はベビーシッターなのか」と笑って写真を撮り出した。
ママが戻ると爆睡していたカーナーは直ぐに彼女の声を聞きつけて目覚めた。
流石だね。
長時間のシッターは私にはもう無理かもしれない。

👶👶👶👶

2 件のコメント:

kazuyoo60 さんのコメント...

カーナーちゃんは6か月並みの体重、元気なお子さんです。
グレートグランマの幼子の世話は、日本でもさほどは無いと思います。どちらにしろ、機嫌よくしてくれて良い子でした。

フロリダの風 さんのコメント...

Kazuyoo60さんへ
赤ちゃんの世話がこうであったなぁと思い出しながらやったので、すっかり疲れ果ててしまいました。笑
大泣きされなかったのが幸いでした。
ニャンコ達を相手に話している方が今の私には合っています。
猫にシカトできても、赤ちゃんはそうはいきませんものね。笑